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第13回訪問介護雑学講座

皆さんこんにちは!

ライフケアサポートONE合同会社、更新担当の中西です。

 

リード
認知症のある方の“困った行動”の多くは、本人が感じる 不安・混乱・不快(痛み、寒さ、空腹、羞恥) のサインです。私たちがやるべきは止めることではなく、理由を見つけて環境と関わりを整えること。本稿では、明日から使える観察と声かけ、住環境の小改良、家族支援まで実践的にまとめます。🧭

 

1|基本姿勢:ラベリングをやめ、仮説を立てる
• 事実→仮説→検証のサイクルを回す(例:「夕方に玄関をうろつく」→“疲労”や“低血糖”の可能性→間食と休息で検証)。
• 尊厳の保持:できることは任せ、選択肢を示す。「お茶にします?それとも白湯?」「今は休みます?トイレだけ行っておきます?」😊
• “否定しない”が最短ルート:「違います」より「そうなんですね。心配でしたね」→安心の土台づくり。

 

2|観察のコツ:5W1H+身体感覚マップ
• When/どの時間帯(夕暮れ症候群、午前中の不調)。
• Where/どの場所(玄関・台所・寝室)。
• Who/誰の前で(家族の帰宅時、ヘルパー交代時)。
• What/何の前後(食事・服薬・排泄・入浴)。
• How/どんな様子(表情、歩行速度、手の冷え、呼吸)。
• 身体感覚:寒さ・痛み・かゆみ・口渇・便意・尿意・眩しさ。📝 → “観察→仮説メモ”を3行で:①状況 ②仮説 ③次の一手。

 

3|関わり方:3つのS(Short/Slow/Show)
• Short:短く → 5〜7語で要点。「今から靴下をはきます」
• Slow:ゆっくり → 動作と声のスピードを合わせる。相手の呼吸に同調。
• Show:見せる → 写真・実物・指さし・身振り。言葉より視覚。👀 + Names:名前で呼ぶ/敬称をつける→安心感が上がる。

 

4|環境調整のミニマムセット
• 道具の定位置化:眼鏡・リモコン・ゴミ箱・ティッシュの“いつもゾーン”。
• コントラスト:トイレのフタは白、便座は色付きで見やすく。
• サイン:写真+大きな文字(例:冷蔵庫に「水・お茶はココ」と写真)。
• 照明:夕方はオレンジ寄りで眩しさを減らし、夜間は足元灯。💡
• 音:テレビの音量・ニュースの刺激を調整。音の情報過多は不穏を誘発。

 

5|家族支援:感情と役割の再設計
• 悲嘆の揺れ(否認→怒り→取引→抑うつ→受容)を知るだけで、家族は楽になる。
• 役割の言い換え:「監視」ではなく「安心の見守り」。
• 期待値の調整:昨日できたことが今日できない波を前提に、“できたらラッキー”運用へ。💬

 

6|ミニケース①:帰宅願望への対応
夕方になると「家に帰る」と玄関へ。仮説:薄暗さ+空腹+日課の欠如。→ 介入:16:00に照明を早めに点灯、甘いおやつと白湯、“お迎え準備”という役割(上着を畳む、靴を整える)をお願い。30分で落ち着き、居室での会話が再開。🌇🍘

 

7|ミニケース②:物盗られ妄想の背景
「財布を盗まれた!」と怒り。仮説:財布の定位置が揺れ、金銭不安が増幅。→ 介入:透明箱に“財布の定位置”を写真で表示し、小額財布と管理ノートを導入。ヘルパーはレシート貼付を徹底。2週間で訴えは週1回まで減少。💳📒

 

8|今日から使えるチェックリスト ✅
☐ 3行の観察・仮説・次の一手を書いたか。
☐ 3つのS(Short/Slow/Show)で関わったか。
☐ 定位置・サイン・照明を整えたか。
☐ 家族の感情に名前をつけ、役割を言い換えたか。

 

9|ミニワーク(5分)
• 観察カードを作る:「時間・場所・前後・様子」を1訪問につき1枚。
• やさしい約束を1つ決める:「否定しない」「一緒にやる」など。🗂️

 

10|まとめ
認知症ケアは“正解を言い当てる競技”ではなく、仮説→試行→学習のチーム作業。根っこにある不安をほどき、安心と役割を取り戻すことが最良の薬になります。🌸

 

 

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